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入力トレラントとは何か?
入力トレラントとは、電源が加えられている状態または0Vの時に、動作範囲内で、電源電圧(VCC)以上のレベルの信号を入力できることを言います。この機能をもつ製品を使用することで、高い電圧から低い電圧のレベル変換ができます。
<電圧レベル変換例>
5V→3V電圧変換:74VHC や74LCX を使用。
3V→1.2V 電圧変換:74VCX を使用。
従来からある一般的なCMOSロジックICの等価回路を以下に示します。
入力側はESD保護などを目的に意図的にダイオードを入れています。出力側は寄生ダイオードが存在します。
入力ー電源間のダイオードは、電源電圧VCC以上の電圧印加、オフ時の電圧印加によりオンして大電流を流し素子を破壊することがあります。このような場合は、入力ー電源間のダイオードが無い入力トレラント機能を持った製品を使うことで、破壊を防ぐことができます。
データシートで、その製品が「入力トレラント」を持っているか否かを簡単に見分けることができます。
TC74HCシリーズと74VHCシリーズのデータシートを例に挙げて説明します。
動作範囲の入力電圧の欄をご覧ください。
TC74HCシリーズの入力電圧は、VIN=0~VCCになっています。これは入力端子にはVCCまでの信号しか入力できないことを意味します。従いまして、TC74HCシリーズは、「入力トレラントを持っていません」となります。
逆に、74VHCシリーズは、入力VIN=0~5.5Vになっています。これは、入力端子にはVCCに関係なく、5.5Vまでの信号を入力できることを意味します。従いまして、74VHCシリーズは、「入力トレラント機能を持っています」となります。