パワーダウンプロテクションとは何か?
2つの電源(VCC1,VCC2)が存在するシステムにおいて、消費電力を下げる為にVCC1のシステムを立ち下げる場合(パーシャルパワーダウン)があります。例えばVCC1に74VHCシリーズを使用した場合、出力端子側には、意図的ではない寄生ダイオードがあるため、VCC2>VCC1の条件が成立すると、VCC1のシステムの出力-電源間のダイオードがオンして大電流を流し素子を破壊することがあります。この場合、入力に加え出力の寄生ダイオードが無い製品(例:74VHCTシリーズ、74LCXシリーズ、74VCXシリーズ)に置き換えることで、破壊を防ぐことが出来ます。
これらの製品はパワーダウンプロテクションを持っていると言えます。
データシートで、その製品が「パワーダウンプロテクション機能」を持っているか否かを簡単に見分けることができます。
74VHCシリーズと74LCXシリーズのデータシートを例に挙げて説明します。
DC特性の欄をご覧ください。
74LCX245のデータシートには、電源オフリーク電流(IOFF)スペック規定があります。電源がオフでも、リーク電流はほとんど流れないことを表しています。
従いまして、74LCX245は、「パワーダウンプロテクション機能を持っています」となります。
74VHC245は出力部に寄生保護ダイオードがあるため、同様の状態で試験すると大電流が流れてしまいます。
このためIOFF規定はなく、パワーダウンプロテクション機能を持っていません。
注)パワーダウンプロテクション機能を持っているのは下記4つのシリーズになります。
・74VHCTシリーズ ・74VHCVシリーズ
・74LCXシリーズ ・74VCXシリーズ
尚、74VHCTシリーズは、IOFFではなく、IOPDスペックおよびIINスペックでパワーダウンプロテクション機能を規定しています。