pn接合

pn接合とは

p型半導体とn型半導体の境界面を、pn接合と呼びます。
p型半導体とn型半導体を接合 (実際には接合ではなく、隣接するようにドーピングで形成) すると、それぞれのキャリアである正孔と自由電子が引き付けあって、境界付近で結合し消滅します。この付近はキャリアが存在しなくなるため、空乏層と呼ばれ、絶縁物と同じ状態になっています。(無バイアス状態)

  • 順方向 (p型領域にプラス極をつなぎ、n型領域にマイナス極をつないで電圧を印加):
    印加電圧を徐々に上げ順方向電圧 (シリコン Si の場合 約0.7V) を超えるあたりから、電子が次々にn型領域からp型領域に流れ込み、正孔と結合して消滅しなかった電子が+極へ移動して電流が流れるようになります。pn接合の物性的な説明に関しては、以下のe-learningに説明があります。
    ショットキーバリアダイオードの基礎1章3節 pn接合

  • 逆方向 (p型領域にマイナス極をつなぎ、n型領域にプラス極をつないで電圧を印加):
    電流は流れません。通常の電圧範囲では、n型半導体の過剰電子は境界面から遠ざかります。また、p型半導体のホールも境界面から遠ざかることになります。このことにより境界面付近の空乏層は広がります。ただし、降伏電圧 (ブレークダウン電圧) を超えた電圧を印加すると、pn接合はツェナー効果 (アバランシェ効果) によって降伏状態になり急激に電流が流れます。一般のダイオードではこの降伏により、性能が劣化・破壊します。

第1章 半導体の基礎

半導体とは何か
半導体の原料
n型半導体
p型半導体
化合物半導体
半導体デバイスの種類

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