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CMOS ロジックICでは標準的な機能(ファンクション)としてインバーターがあります。インバーターには”04“と”U04“があります。一般的なロジック処理の用途では”04“が使用され、水晶発振回路やRC発振回路などの発振器用途では”U04”が主に使用されます。
“04”と”U04”は図 1に示すような構成となっています。”04”は入力と出力のインバーターをそれぞれ求められる性能に対してMOSのサイズが最適化されています。その結果、同じグループ(ファミリー)の入力容量は”U04”に対し、”04”の方が小さくなっています。”04”は3段構成であることからゲインが高く、”H“ “L” と判断するハイレベル/ローレベル入力電圧範囲が広くなり(表-1)、雑音余裕度は高くなっています。ただし伝搬遅延時間は少し長くなります。
インバーターを使用した発振回路の概念図を図 2に示します。
パワーオン時の雑音などの外乱が発振の種となり入力Vinに入ります。この種は非常に小さいのでインバーターのリニア領域でアンプされ、帰還回路でフィルタリングされ入力に加算されます。発振するための条件は、帰還した信号の位相が入力信号と同相であること、インバーターのゲインが大きいこと(“入力” + “帰還信号” の大きさが元の入力信号より大きいこと)です。
“04”は入力容量も小さいため広帯域で高ゲインとなり、”U04”より高周波まで発振させることができます。このことだけ考えると、”U04”より”04”の方が発振に適しているように思えます。
しかし、発振で用いるリニア領域は表1で示される領域の内側(例えば4.5 Vのとき、“04”は1.35~3.15 V、”U04“は0.90 V~3.6 V)なので、”U04“の方が広くなっています。安定した発振のためには、この範囲で発振信号が巡回する必要があります。外部環境(温度や電源電圧など)の変化によってリニア領域から外れると発振は不安定となり、最悪の場合停止します。このため、発振回路ではリニア領域の広い”U04”を使用することを推奨します。
以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。
インバーター回路、発振については下記e-ラーニングをご参照ください。
e-ラーニング:
ロジック全般の基礎は下記ドキュメントをご参照ください。
アプリケーションノート:
当社推奨製品がございますのでご参照ください。