バスホールド回路とは、データ入力部に付加された回路で、2つのインバーターによりフィードバックされる構成になっており、入力端子がオープン(フローティング)の状態になっても、その前の入力端子の状態を保持します。
図-1に、バスホールド等価回路を示します。
通常の汎用ロジック回路では未使用の入力端子がフローティングやオープンの時はハイインピーダンス状態となります。ハイインピーダンスの状態では、リーク電流などにより入力容量が徐々に充電され、入力のP-ch MOSFETとN-ch MOSFETが同時にオンし不要な電流が流れたり、異常な発振が発生することがあります。この状態を避けるために外付けプルアップ抵抗やプルダウン抵抗を用います。
バスホールド回路は入力に対し弱い帰還をかけています。このことにより入力は論理が遷移するまで、最後の論理を維持します。そのため、入力状態を保持するためのプルアップ抵抗やプルダウン抵抗が不要となり、外付け部品を削減できます。
バスホールド回路を持つ製品には、データシート上に2つの項目があります。1つ目は、バスホールド入力最小ドライブホールド電流(II (HOLD) )です。バスホールド回路がデバイスまたはバスの論理を保持する電流の最小値を示します。2つ目は、バスホールド入力オーバードライブ電流(II (OD) )です。バスホールド回路の論理状態を変化させるために必要な電流の最小値です。表-1にデータシート記載例を示します。
バスホールド回路を持った製品としては、TC74VCXH16245FT、TC74VCXH162245FTがあります。
以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。