レベルシフター(電圧レベル変換IC)の最大動作周波数はどのように求めたらよいでしょうか?

バッファータイプの製品とバススイッチタイプの製品では、動作周波数の計算方法が異なります。バッファータイプの製品は、伝搬遅延時間を基に計算できます。一方、バススイッチタイプの製品は、負荷とオン抵抗のCR時定数を基に計算できます。

おのおのの計算方法について下記で簡単に説明します。

  • バッファータイプの製品は、以下のように伝搬遅延時間(tpLH , tpHL)を基に計算できます。
    最大動作周波数 ≒ 1/(tpLH + tpHL)
  • バススイッチタイプの製品は、負荷とオン抵抗のCR時定数を基に計算できます。
    充放電により電圧が決まるため、63 %まで立ち上がる時間で計算します。(図-1)
    最大動作周波数 ≒ 1/(τ) τは時定数です。
    1/τ = 1/(C×R)
    例えばTC7SPB9306の場合スイッチ入出力容量CI/Oは14 pFのため、負荷容量CLを30 pF、プルアップ抵抗Rpuを1 kΩとした場合に、出力が立ち上がるまでの時定数は、τ = (14 pF+30 pF)×1 kΩとなり、約20 MHzと計算できます。
  • 通信規格と互換性のある推奨レベルシフターについては、次のFAQの項目を参照してください。
    FAQ:通信規格(UART、I2C)に対して使用できる電圧レベル変換IC(レベルシフター)はありますか?

この計算式は、データシート記載の条件下での参考値としてお考えください。
製品搭載時には基板容量などによって伝搬遅延時間が変わるため、実使用状態で問題無いことを十分に確認してください。

図-1 2電源レベルシフター バススイッチタイプ電圧変換波形
図-1 2電源レベルシフター バススイッチタイプ電圧変換波形

関連リンク

以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。

FAQ

製品リスト

アプリケーションノート