MOSFETのボディダイオードはどんな特性を持っていますか?

ボディダイオードとは、MOSFETの構造上ソース・ドレイン間に形成される寄生ダイオードのことでデータシート上に下記特性が記載されています。

  • ドレイン逆電流(連続)/ドレイン逆電流(パルス)IDR/IDRP
    MOSFETのボディダイオード順方向電流の許容される最大値です。
  • 順方向電圧(ダイオード)VDSF
    ボディダイオードに順方向電流を流した時のドレイン・ソース間電圧です。
  • 逆回復時間 trr
  • 逆回復電荷量 Qrr
  • ピーク逆回復電流 Irr
    指定の測定条件におけるボディダイオードの逆回復動作において逆回復電流が消滅するまでの時間(trr)及び電荷量(Qrr)です。その時のピーク電流値がIrrです。
表1:データシート記載例
項目 記号 測定条件 最小 標準 最大 単位
順方向電圧(ダイオード) VDSF IDR = 30.8 A、VGS = 0 V - - -1.7 V
逆回復時間 trr IDR = 15.4 A、VGS = 0 V
-dIDR/dt = 100 A/μs
- 135 220 ns
逆回復電荷量 Qrr - 0.6 - μC
ピーク逆回復電流 Irr - 10 - A
ダイオード dv/dt耐量 dv/dt IDR = 15.4 A、VGS = 0 V、VDD = 400 V 50 - - V/ns
図1:ダイオード dv/dt 耐量  dv/dt
図1:ダイオード dv/dt 耐量  dv/dt
図2:等価回路上のボディダイオード
図2:等価回路上のボディダイオード

ボディダイオードの説明については、こちらもご参照ください。