ドレインD-ソースS間の等価ダイオードを積極的に使用して良いですか?

ドレインD-ソースS間の等価ダイオードを使用いただくことは可能です。

MOSFETは構造上ドレインD-ソ-スS間に等価ダイオードが形成されます。このダイオードは、ボディダイオードや寄生ダイオードとも呼ばれます。下図にNch MOSFETの断面図(図-1.1)と等価回路(図-1.2)を記載します。(ボディダイオードの位置は赤線で記載しています。)

図-1.1 Nch MOSFETの断面図
図-1.1 Nch MOSFETの断面図
図-1.2 Nch MOSFET等価回路
図-1.2 Nch MOSFET等価回路
図-2 非同期整流PWM制御の出力遷移例
図-2 非同期整流PWM制御の出力遷移例

モーターを駆動する際、ドレインD-ソースS間の等価ダイオードを使用し電流回生を行うことができます。例えば、図-2のような非同期整流PWM制御方式では、上側MOSFETのON(t1)とOFF(t2)を繰り返します。OFF(t2)期間中、下側の等価ダイオードを経由して回生電流が流れます。

図-3 同期整流PWM制御の出力遷移例
図-3 同期整流PWM制御の出力遷移例

ただし、同期整流PWM制御が搭載されているデバイスの場合は、主に下側のMOSFETをONすることで (例えば、図-3のt3のように)電流回生を行います。一般的にMOSFETを使用した回生は効率がよく、発熱も抑えられる傾向があります。
一方で、同期整流中に貫通電流防止のため、デッドタイム(t2とt4)に等価ダイオードを使っても電流回生を行います。

図-4 正転(逆転)から停止設定時の電流経路例
図-4 正転(逆転)から停止設定時の電流経路例

また、モーターを正転(逆転)から停止状態に移行する際、多くの場合、すべてのMOSFETがOFFになります。その際にも、図-4に示すように、モーターに流れていた電流が等価ダイオードを介して電源側に回生します。

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以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。

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