インバーター駆動回路設計の自由度を広げる絶縁型ゲートドライバー

各種保護機能を内蔵および出力2チャンネル化でタイミング設計を簡素化
SO16L

産業用インバーターやUPS、太陽光発電用パワーコンディショナーなどの各種インバーターのパワー素子ゲートドライバーとして、当社はTLP350を幅広く提供してきました。このTLP350を用いた中大電力システムの場合、IGBT/MOSFETのゲートの前段にバッファートランジスターを入れ、そのバッファー駆動のアナログ的なタイミング設計に負荷がかかっていました。また、パワー素子の保護回路は個別に設計する必要がありました。

これら設計の負担を軽減するためにリリースした新製品TLP5231には下記のような特長があります。

  • バッファー用MOSFET、ソフトターンオフ用MOSFETを外付けで構成しており、タイミング設計の簡素化が可能
  • 異常遮断からのリスタートが自動のため、マイコン設計が容易
  • パワー素子の容量に応じて外付けのMOSFETを調整するだけで動作させることができ、基本回路設計展開でのプラットフォーム化が可能
  • 異常検出では電源電圧異常時 (UVLO[注1]) と過電流検出時にフォルト信号をフィードバック
  • パワー素子保護では過電流検出からのソフトターンオフ機能にて、通常オフ動作よりもソフトにゆっくりと遮断することが可能
  • 異常遮断時に発生するサージ電圧の上昇抑制でパワー素子の破壊を防止

以上、設計者の負担を減らせるメリットがありますので、ゲートドライバー周辺回路含めた小型化/高機能化する際は、是非TLP5231をご検討ください。

[注1] UVLO: Under Voltage Lock Out 低電圧誤動作防止機能

単機能ゲートドライバーと保護機能付きゲートドライバーの比較

上記で紹介したTLP5231とTLP350の機能比較を下記に示します。

品番

保護機能付きゲートドライバー

TLP5231
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データシート

単機能ゲートドライバー

TLP350

パッケージ

SO16L

SO16L

DIP8

DIP8

出力電流定格 (最大)

2.5A (Ta=-40°C~110°C)

2.5A (Ta=-40°C~100°C)

絶縁耐圧 (最小)

5000Vrms

3750Vrms

瞬時コモンモード
除去電圧 (最小)

±25kV/µs

±15kV/µs

保護機能

UVLO

過電流検出

-

ソフトターンオフ

-

FAULT信号出力

(UVLO時、過電流検出時)

-

パワー素子駆動形式

上記で紹介したTLP5231とTLP350のパワー素子駆動形式の比較を下記に示します。

TLP5231

保護機能付きゲートドライバー TLP5231

  • 出力端子数: 2チャネル
  • バッファーのコンプリメンタリー
  • N-ch、P-ch MOSをチャネル個別に制御
TLP350

単機能ゲートドライバー TLP350

  • 出力端子数: 1チャネル
  • バッファーのコンプリメンタリー
  • NPN、PNPトランジスターを1チャネルで制御

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