機器の小型化と消費電力削減に貢献

小型・低消費電流LDOレギュレーター TCR3LMシリーズ
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当社は、DFN4Dパッケージ、低消費電流のLDOレギュレーター「TCR3LMシリーズ」を東芝セミコンダクタ・タイ社で量産開始しました。

IoT通信モジュール、ウエアラブル端末など小型機器の需要が増加しています。このような機器はセットそのものの小型化要求に伴ってバッテリー容量も小さくなりますが、一方で長時間の動作が要求されています。

機器の長時間動作を実現するためには、機器自体の消費電力を低く抑える必要がありますが、その際に重要になるのは、待機状態の消費電流を低く抑えることです。機器においてデータ転送などの動作時以外は待機状態となりますが、一日の大半はこの待機状態が占めることになります。つまり、この待機状態での消費電流を低く抑えることにより、機器自体の消費電流を低く抑えることが可能となり、結果として少ないバッテリー容量でも長時間動作を実現することができます。

新製品TCR3LMシリーズは消費電流を低く抑えたLDOレギュレーターであり、機器の消費電力の削減に貢献します。同じく低消費電流タイプの当社既存製品TCR2LNシリーズ[注1]と比べて、ドロップアウト特性を改善しています。また、TCR3LMシリーズは負荷過渡応答特性も改善しており、負荷変動に対し、より安定した電圧を出力することが可能です。さらに、豊富な出力電圧製品をラインアップしています。最大出力電流は300 mAのため、当社既存製品TCR2LNシリーズを含めて、最良なデバイスを選択し、幅広い用途に使用することができます。

TCR3LMシリーズは、表面実装タイプの小型・低背DFN4Dパッケージを採用しています。また、入力・出力コンデンサーは小型セラミックタイプが使用可能であるため、モバイル機器、ウエアラブル端末など高密度実装が必要な小型機器の電源ラインに適しています。

[注1] 出力電流200 mA

製品の特長

  1. 低消費電流(低バイアス電流): IB(ON)=2.2 μA (max) (IOUT=0 mA、Vin=5.5 V)
  2. 低ドロップアウト電圧: VDO=344 mV (typ.) (VOUT=1.8 V、IOUT=200 mA)
  3. 負荷過渡応答特性: -70/+35 mV (typ.) (VOUT=2.8 V、IOUT=1 mA⇔100 mA)

1. 低消費電流(低バイアス電流): IB(ON)=2.2 μA (max) (IOUT=0 mA、Vin=5.5 V)

バイアス電流とは、出力電流が流れていないときにLDOレギュレーターの入力に流れる電流であり、LDOレギュレーター自体を動作させるのに必要な電流です。LDOレギュレーターの出力は各種センシングやデータ通信などさまざまな機能ブロックの電源として利用されますが、これらの機能は常時動作しているわけではなく、動作していない待機状態の期間もあります。待機状態ではLDOレギュレーター出力はほとんど電流を流さないため、機能の動作時間をできるだけ短くすることにより機器全体の平均消費電流(電力)を低く抑える対策が行われます。このときにはバッテリーからはバイアス電流だけが流れることになりますので、消費電流を減らすうえでこの特性は重要です。TCR3LMシリーズはバイアス電流を2.2 μA (max) に抑え、機器全体の省電力化と長時間駆動の実現に貢献します。

2. 低ドロップアウト電圧: VDO=344 mV (typ.) (VOUT=1.8 V、IOUT=200 mA)

TCR3LMシリーズはバイアス電流を削減しつつ、ドロップアウト電圧を従来品より改善しました。一般的にバイアス電流を減らすとレギュレーターの性能が低下します。入力電圧に対する出力電圧の電圧降下を示す値であるドロップアウト電圧もそのひとつです。TCR3LMシリーズは回路構成を見直すことでバイアス電流の削減とドロップアウト電圧の改善の両立に成功しました。従来品より低い入力電圧で所望の出力電圧を得られるため、電圧差による消費電力の低減が可能です。

3. 負荷過渡応答特性: -70/+35 mV (typ.) (VOUT=2.8 V、IOUT=1 mA⇔100 mA)

TCR3LMシリーズはバイアス電流を削減しつつ、負荷過渡応答特性を従来品より改善しました。一般的にバイアス電流を減らすとレギュレーターの性能が低下します。出力電流が急に増減した時に発生する出力電圧の変動の大きさを示す負荷過渡応答もそのひとつです。バイアス電流を減らすことによりこの特性は悪化するというトレードオフの関係にありますが、TCR3LMシリーズは回路構成を見直すことでこの両方を改善することに成功しました。

図1 従来品との負荷過渡応答特性の比較
図1 従来品との負荷過渡応答特性の比較

応用機器

  • モバイル機器
  • ウエアラブル端末
  • IoT通信モジュール

新製品の主な仕様

(特に指定のない限り、Ta=25 °C)

品番 TCR2LNシリーズ[注2] TCR3LMシリーズ
パッケージ 名称 SDFN4 DFN4D
サイズ (mm) Typ. 0.8×0.8、t=0.38 1.0×1.0、t=0.37

動作範囲
(Ta=-40~85 °C)
入力電圧 VIN (V) 1.5~5.5 1.4~5.5
出力電圧 VOUT (V) 0.8~3.6 0.8~5.0
出力電流 IOUT (mA) 200 300

電気的特性
(特に指定のない限り、
Tj=-40~85 °C)
バイアス電流 IB(ON) (μA) Max 2.0
(IOUT=0 mA、
VIN=2.5 V[注3])
2.2
(IOUT=0 mA、
VIN=5.5 V[注3])
ドロップアウト電圧 VDO (mV) Max 600
(IOUT=150 mA、
VOUT=1.8 V)
445
(IOUT=200 mA、
VOUT=1.8 V)
負荷過渡応答⊿
VOUT (mV)
Tj=25 °C Typ. -400/+400
(1⇔10 mA)
-70/+35
(1⇔100 mA)

コントロール端子
しきい値電圧
VCTH (V)
コントロール端子入力電圧
"HIGH"
Min 0.9
コントロール端子
しきい値電圧
VCTL (V)
コントロール端子入力電圧
"LOW"
Max 0.4
コントロール電圧 (ON) VCT (ON) Min 1.0
コントロール電圧 (OFF) VCT (OFF) Max 0.4
過電流保護機能 あり
過熱保護機能 あり
オートディスチャージ機能 あり
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[注2] 既存製品
[注3] コントロールプルダウン電流 (ICT) は含みません。

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