降圧(5 V→3.3 V)、昇圧(3.3 V→5 V)のレベルシフト(電圧変換)をしたいのですが、どのように実現すればいいですか?

降圧(5 V→3.3 V)、昇圧(3.3 V→5 V)の電圧変換は、トレラント機能を持ったCMOSロジックICやレベルシフター(単電源タイプまたは2電源タイプ、2電源バススイッチ)を使うことで実現できます。

図-1 入力トレラント機能を使用した電圧変換 (降圧)
図-1 入力トレラント機能を使用した電圧変換 (降圧)

下記に簡単に事例を紹介します。
詳細な選択方法は下記アプリケーションノートを活用ください。
→ レベルシフター(電圧変換ロジック IC)の選択方法(PDF:3.04MB)

降圧電圧変換:
5 V → 3.3 Vなど高い電圧から低い電圧への電圧変換は、入力トレラント機能により可能です。入力トレラント機能は電源VCC より高い入力電圧を許容する機能で、不要な電流も流れません。(図-1)
入力トレラントを使用して降圧電圧変換を行う場合、ローレベル入力電圧がVIL(Low-level Input voltage)の規格内に入っていることを確認してください。(表-1)

表-1 一般のCMOSロジックICの入力規格例 (74VHC240)

表-1 一般のCMOSロジックICの入力規格例 (74VHC240)

図-2 TTL入力を利用した電圧変換(昇圧)
図-2 TTL入力を利用した電圧変換(昇圧)

昇圧電圧変換:
3.3 V→5 Vなど低い電圧から高い電圧への電圧変換は、低い電圧で動作する前段ICのハイレベル出力電圧VOHが(≒VCC)、後段ICのハイレベル入力電圧VIH規格を満足すれば電圧変換が可能です。
一般のCMOSロジックICでは、ハイレベル入力電圧規格の最小値は VIH = VCC * 0.7 です。前段ICのVcc=3.3 V、後段ICのVcc = 5 Vの場合、後段ICのVCC が 5 Vなら 3.5 Vとなりますが、前段のVCCが3.3 Vの場合、後段ICのハイレベル入力電圧規格を満たしません。この場合の電圧変換には入力電圧規格を低く設定してあるTTL入力のCMOSロジックICを検討ください。(図-2)

表-2はTTL入力の入力規格の例(74HCT240)です。VIHの最小値は2.0 Vになり、3.3 V → 5 Vの変換が可能なことが分かります。

表-2 TTL入力 CMOSロジックICの入力規格例(74VHCT240)

表-2 TTL入力 CMOSロジックICの入力規格例(74VHCT240)

図-3 レベルシフターを使用した電圧変換(昇圧 2.0 V → 5.0 V)  
図-3 レベルシフターを使用した電圧変換(昇圧 2.0 V → 5.0 V)  

ただし、前段のICの電源電圧が2 Vより低い場合は成り立ちません。この場合は、レベルシフター(例:バススイッチタイプTC7MPB9326)を使用して電圧変換する必要があります。(図-3、表-3)

表-3 レベルシフターの動作範囲例(TC7MPB9326)

表-3 レベルシフターの動作範囲例(TC7MPB9326)

図-4 オープンドレイン出力の製品を使用した電圧変換(昇圧 3.3 V → 5.0 V)
図-4 オープンドレイン出力の製品を使用した電圧変換(昇圧 3.3 V → 5.0 V)

オープンドレイン出力の製品を使用して、昇圧電圧変換を行う方法もあります。プルアップ抵抗 Rpull により、出力はVCCレベルまでフルスイングします。(図-4)

関連リンク

以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。

FAQ

製品リスト

アプリケーションノート