高オン電流、高速スイッチングを実現した小型フォトリレー

~産業機器の小型化、高速化に貢献~
これは、高オン電流、高速スイッチングを実現した小型フォトリレー 産業機器の小型化、高速化に貢献の画像です。

当社はファクトリーオートメーション (FA)、ビルディングオートメーション (BA)などの産業機器向けフォトリレー「TLP3640A」を製品化し、量産出荷を開始します。

ファクトリーオートメーションやビルディングオートメーションなどでは、外部に接続された別の機器のオン/オフのためにスイッチが使われています。そのスイッチの代表としてメカニカルリレーが挙げられますが、コイルによる電磁力で金属接点を制御するメカニカルリレーは消費電力が大きい、金属接点が摩耗する、動作時に音が生じるといった課題があります。

メカニカルリレーからフォトリレーに置き換えることでこれらの課題を解決できます。フォトリレーは入力側にLEDを、出力側にMOSFETならびにそのゲート駆動のための素子 (フォトダイオードアレイ) を配置した光アイソレーターの一種です。メカニカルリレーのコイルや金属接点がそれぞれフォトリレーのLEDやMOSFETに相当し、メカニカルリレーと同じ働きをします。

フォトリレーには以下のような特長があります。

  1. 長寿命: 機械的な接点がないため、出力側の接点回数の制限がない
  2. 低消費電力: 入力側はLED駆動のため消費電力が低い
  3. 静音: 出力側のオン・オフ時に音が発生しない
  4. 小型パッケージ: 実装面積が小さく、高さが低い

新製品TLP3640Aは当社独自の小型フォトリレーで培ったチップ・オン・チップ技術[注1]を採用し、当社従来品TLP3122A[注2]よりも小型のSO4パッケージで、オン電流定格1A、阻止電圧定格60Vを実現しました。また、スイッチング速度の高速化、動作温度範囲も拡張しました。これらにより、TLP3640Aは各種産業用機器へのリレーの高密度実装や機器の高速動作化、設計自由度に貢献できます。

[注1] 上下にチップを積層する3次元実装技術
[注2] 4pin SO6パッケージ。オン電流定格1.4A、阻止電圧定格60V

図 1. メカニカルリレーとフォトリレーの構成比較
図 1. メカニカルリレーとフォトリレーの構成比較
図 2. プログラマブルロジックコントローラーのシステムブロック図
図 2. プログラマブルロジックコントローラーのシステムブロック図

新製品の主な特長

  1. 小型パッケージ
  2. オン電流定格が大きい
  3. 高速動作
  4. 高温動作対応

特長の解説

1. 小型パッケージ

図 3. 実装面積の比較 (4pinSO6: 当社従来品TLP3122A、SO4: 新製品TLP3640A)
図 3. 実装面積の比較 (4pinSO6: 当社従来品TLP3122A、SO4: 新製品TLP3640A)

各種産業機器では基板の小型化が求められる場合があるため、スイッチも高密度実装が可能な小型パッケージが必要とされます。
新製品TLP3640Aは当社独自のチップ・オン・チップ技術を導入し、フォトダイオードアレイチップとMOSFETチップを積層搭載しました。これにより当社フォトリレーとしては初となるSO4パッケージへの搭載を実現しました。TLP3640Aにより、実装面積はメカニカルリレー (小型シグナルリレー) よりも70%削減、当社従来品TLP3122Aよりも30%削減できます。

2. オン電流定格が大きい

新製品のパッケージはSO4と小型で、当社従来品TLP3122Aと比べて30%面積が縮小されているにも関わらず、内部構造の設計最適化によりオン電流定格1Aを実現しました。これにより制御対象の自由度向上や、設計マージン確保に貢献します。
例えば、製品に求められるオン電流が1A未満の場合に、面積あたりの搭載数が当社従来品TLP3122Aの場合3個 (幅3.7mm×3=11.1mm) のところ、新製品では4個 (幅2.6mm×4=10.4mm) となり、より多くの製品を配置できるようになります。

3. 高速動作

各種産業機器のインターフェースに用いられるリレースイッチには、高速動作が求められる場合があります。一般的な小型シグナルリレーでは接点開閉時間が数msとなるものがあります。新製品TLP3640Aは、LEDやフォトダイオードアレイの特性向上により、ターンオン時間/ターンオフ時間 最大0.5ms/0.2msを実現し、当社従来品TLP3122A[注3]に比べ高速スイッチングが可能です。これにより高速動作が求められるプログラマブルロジックコントローラー内のアナログインターフェース部や、計測器内のゲイン切り替えスイッチに適しています。

[注3] ターンオン時間/ターンオフ時間 最大3ms/1ms

図 4. プログラマブルロジックコントローラー アナログインターフェースの例
図 4. プログラマブルロジックコントローラー アナログインターフェースの例

4. 高温動作対応

機器の小型化が進むにつれ、熱設計や部品選定が難しくなる場合があります。一般的な小型シグナルリレーや、当社従来品TLP3122は最大動作温度定格が85°Cですが、新製品TLP3640Aは内部構造の最適化を図り110°Cを実現しました。これにより、FA機器や産業用ロボットなどに求められる高温環境下での動作が可能となります。

アプリケーション

  • ファクトリーオートメーション (FA) 制御機器用
  • プログラマブルロジックコントローラー (PLC) 用
  • セキュリティーシステム用
  • 計測器用
  • メカニカルリレーの置き換え用

新製品の主な仕様

(特に指定のない限り、Ta=25°C)

品番

TLP3640A

データシート

PDF: 789KB

パッケージ

当社名称

SO4

サイズ (mm)

2.6×7.0 (typ.)、

t=2.2 (max)

接点方式

1a

(ノーマリーオープン)

絶対最大定格

阻止電圧 VOFF (V)

60

オン電流 ION (A)

1

オン電流 (パルス) IONP (A)

3

動作温度 Topr (°C)

-40~110

結合特性

オン抵抗 RON (Ω)

Typ.

0.14

Max

0.3

電気的特性

端子間容量 (出力側) COFF (pF)

Typ.

95

スイッチング特性

ターンオン時間 tON (ms)

RL=200Ω、

VDD=20V、

IF=5mA

Max

0.5

ターンオフ時間 tOFF (ms)

0.2

絶縁特性

絶縁耐圧 BVS (Vrms)

Min

3750

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