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オペアンプは負のフィードバック(負帰還)をかけて使用することが一般的です。
ここではフィードバックについて簡単に説明します。フィードバックは日本語では帰還と呼び、正のフィードバック(正帰還)と負のフィードバック(負帰還)があります。
例えば、以下のような例があります。
① 勉強して成績が上がった
② 成績が上がることで勉強が楽しくなり、更に勉強する
③ 更に成績が上がる
これは正帰還の例です。つまり出力の変化を更に加速させる動きをするものが正帰還になります。
これに対し、
① 勉強して成績が上がった
② 勉強を少し減らして、余暇を作る
③ 勉強が減ったので、少し成績が下がった
④ 余暇を減らして勉強の時間を増やす
⑤ 成績が元に戻る
このように結果(この場合は成績)を一定に保つフィードバックを負帰還と言います。
帰還を掛けたアンプ回路を図 2-2に示します。増幅器と帰還回路、加算器(減算器)により構成されます。
図中のAVは増幅器の開ループ利得、Bは帰還率です。
入力された信号は増幅器により増幅され出力されます。出力の一部は帰還回路を通って加算器により入力に戻されます。
入力が変化した場合に、入力の変化を打ち消す方向に増幅器の入力を変化させる戻し方を負帰還、変化を増大させる戻し方を正帰還と呼んでいます。
入力と帰還回路を通った信号を加算し、増幅器の開ループゲインを掛けたものが出力なので
Vout = AV × (Vin + B × Vout)
整理すると
Vout = AV × Vin / (1 − AV × B)
この式で、負帰還回路を通った信号 AV x B x Vout が入力信号に対し同相であれば正帰還、逆相であれば負帰還となります。
正帰還:Vout = AV × Vin / (1 − | AV × B |)
負帰還:Vout = AV × Vin / (1 + | AV × B |)
オペアンプの単体は非常に高いゲイン(開ループ利得)を持ちますが、周波数特性(2-2項開ループゲインと閉ループゲイン 参照ください)を持つため扱いにくい素子となっています。このため、一般的には負帰還をかけて使用します。負帰還をかけて使用すると増幅器の利得は大幅に低下しますが、使用帯域(ゲインがフラットな帯域)は広がり、出力インピーダンスが低下します。また、ゲインバラツキも吸収され扱いやすい増幅器を構成することが可能となります。
なお、一般的に正帰還はアンプとしては通常使用されません。発振器やコンパレーター(比較器)にヒステリシスを持たせる時などで使用されます。
(FAQに “コンパレーターにヒステリシスを持たせる方法” がありますので興味のある方は参照ください)