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オペアンプの最も基本的な回路は、図 2-10の非反転増幅回路と図 2-11の反転増幅回路です。既に説明したことですが、いずれの回路も負帰還(出力をVIN(-)に戻す)を使用しています。
これら回路のゲイン(閉ループゲイン)ACL を図の下に記載します。ゲインの求め方に関しては、この後説明する仮想短絡(仮想接地、イマジナリーショートとも呼ばれます)の考え方を用いると簡単に求められます。
非反転増幅回路の入力インピーダンスはオペアンプに直接入力しているため非常に高くなります。これに対し反転増幅回路では、仮想短絡の考え方から、VIN(-)端子がVIN(+)端子と同値になり、R1が入力インピーダンスとなるため、非反転増幅回路ほど高くありません。
ボルテージフォロワーを図 2-12に示します。この回路は図 2-11の非反転増幅回路の抵抗値を R1 = ∞、R2 =0 とした回路と考えることができます。この回路はゲインが低い(ユニティゲイン AV=1)ため、帯域が広く、2-3項 発振で説明した第2極の影響を受けることがあり発振に気を付ける必要があります。ほとんどのオペアンプの第2極はしゃ断周波数fTに対して充分大きくなっており、ユニティゲインで使用可能です。ただし、配線容量や負荷容量などがあると発振することがあります。データシートにユニティゲインで使用可能と記載のある製品はボルテージフォロワーで使用可能です。それ以外の製品をこの用途で用いる場合はお手数ですが、担当営業にお問い合わせください。
これ以外にも、非反転増幅回路と反転増幅回路を混載した差動増幅器(減算回路)、反転増幅回路を応用した加算回路や積分回路などの応用回路があります。