ファンアウトは汎用ロジックICの出力端子に接続可能な汎用ロジックICの入力端子の数を表します。
従って計算は出力電流を後段に接続する汎用ロジックICの入力電流で割った値になります。
ファンアウト = IOH / IIH、または IOL / IIL
この計算はCMOSロジックICの前に主流であったTTLロジックICでは入力電流が大きく意味がありました。しかし、現在のCMOSロジックICの直流入力電流はマイクロアンペアオーダーですので、この考え方での制限はほとんどないと言えます。
むしろ後段のCMOSロジックICの容量値が問題になります。一般的にCMOSロジックICでは意図的に出力に大きな容量を接続することは推奨していません 。CMOSロジックICの入力容量はおおむね10 pF程度(製品ファミリーによって入力容量は変わりますので、データシートをご確認ください)であり、接続可能な容量の総和は500 pF以下としています。
(FAQ:汎用ロジックICの出力端子に付けるコンデンサー容量の規定はありますか?)
計算上は50個のCMOSロジックICを接続できることになりますが、以下の点で特に注意が必要です。
波形がなまり伝搬遅延時間が大きくなる
(データシート上の伝搬遅延時間は50 pFでの測定を基準としています)
負荷容量(次段の入力容量の総和)が増加するため充放電電流により消費電流増加します。
(FAQ:汎用ロジックICの消費電力はどのように求めることができますか?)
このことから実機で動作の確認を行いご使用ください。
以下の資料にも関連する説明がありますので、ご参照ください。