過電流保護機能 (OCP:OverCurrent Protection)

過電流保護機能は異常発生時の消費電力を抑えてICと負荷の破壊を防止する機能です。負荷の異常や短絡などで出力電流が制限電流(ILIM)を超えると、出力電圧と出力電流も低下させて、ICと負荷で消費される電力を制限します。

基本回路

基本回路

制限電流ILIM-外付け抵抗 RILIM

制限電流 ILIM-外付け抵抗 RILIM

東芝eFuse ICの過電流保護機能は、外付け抵抗で調整可能です。

左の回路図で赤枠で囲ったと抵抗が外付け抵抗RILIMです。この外部抵抗でTCKE8シリーズでは0.5A~5Aの範囲で過電流制限を設定可能です。

この過電流制限と外付け抵抗RILIMは右図にような計算式とグラフになっております。
このグラフに示すように、抵抗値に応じて過電流制限が決まります。

1つの外付け抵抗を変えるだけで簡単に過電流制限を任意に設定可能ですので、設計の自由度を向上できるというメリットがあります。(抵抗値の選定にあたっては必ず実機で確認ください。)

●従来ヒューズに対するeFuse IC性能比較

eFuse ICは高速・高精度に保護動作を行います

 

eFuse IC
(TCKE812NL)

ポリヒューズ

チップヒューズ

定格電流

3 A (設定)

3 A (定格)

3.1 A (定格)

過電流
保護動作確認

(5A電流時)

従来ヒューズに対するeFuse IC性能比較

従来ヒューズに対するeFuse IC性能比較

従来ヒューズに対するeFuse IC性能比較

過電流
保護動作確認
(10A電流時)

従来ヒューズに対するeFuse IC性能比較

従来ヒューズに対するeFuse IC性能比較

従来ヒューズに対するeFuse IC性能比較

ポリヒューズ、チップヒューズでは保護できていると思っていても、実際には保護できていないといったことが起きてしまう可能性があります。

この図は半導体ヒューズeFuse ICとPolyヒューズ、チップヒューズとの過電流保護動作の比較になります。
(比較のためにeFuse ICの過電流設定、ポリヒューズ、チップヒューズの定格を3A付近で統一)

5Aの過電流を印加した場合、

  • eFuse ICはわずか1μs-2μsで電流が遮断、出力電圧もオフ。
  • ポリヒューズ、チップヒューズでは5Aの過電流が印加されても電流を遮断できず。出力電圧もオンしたまま。

10Aの過電流を印加した場合、

  • eFuse ICは5A時と同じく、わずか1μs-2μsで電流が遮断。
  • ポリヒューズは2.6秒、チップヒューズは3.5μsで電流を遮断。
    ただし、チップヒューズに関しては溶断により使用不可となります。

eFuse ICの基礎

半導体ヒューズ eFuse ICとは
半導体ヒューズ eFuse ICのメリット (1)
半導体ヒューズ eFuse ICのメリット (2)
半導体ヒューズ eFuse ICのメリット (3)
従来ヒューズとeFuse ICとの比較
半導体ヒューズが使われるアプリケーション例
短絡保護機能
過電圧保護機能 (過電圧クランプ)
スルーレートコントロール (ラッシュ電流の抑制)

関連情報