スルーレートコントロール (ラッシュ電流の抑制)

スルーレートコントロール

出力がオンしたとき、負荷側に接続されたコンデンサーを充電するため突入電流が流れます。この電流が大きすぎると過電流保護回路が誤動作して立ち上がり不能になったり、出力電圧にオーバーシュートが発生したりするおそれがあります。
これを防ぐため、突入電流を制限して出力電圧の立ち上がり時のスルーレートをコントロールするのが、本機能です。

外部コンデンサーでラッシュ電流に応じて 任意に電圧の立ち上がり、スルーレートを制御可能

スルーレートコントロール機能は、外部コンデンサーで任意に出力電圧の立ち上がりを制御できます。

左図の赤枠内が外付けコンデンサーCdVdTになります。この値をかえることで出力電圧の立ち上がりスルーレートを調整できます。

外付けコンデンサーCdVdTの容量と出力電圧の立ち上がり時間tdV/dTは右上の計算式で表現できます。
それをグラフ化したものが右図になります。
このグラフから横軸で示す、容量が大きければ大きいほど縦軸の出力電圧の立ち上がりtdV/dTが遅くなります。この出力電圧がゆっくり立ち上がることでラッシュ電流も小さくできます。

ディスクリート部品での構成ではスルーレート変更にはゲート電圧、電流の調整、ゲート容量値など、様々な定数を変更する必要がありましたが、eFuse ICでは小さなコンデンサー一つで、スルーレートを調整できます。

スルーレートコントロールを使ったラッシュ電流抑制の例

下の図は、スルーレートコントロールを使ったラッシュ電流抑制の例です。
左側の波形がdV/dT端子がオープンの出力電圧、電流の立ち上がり波形です、右側がdV/dT端子に1nFをつけた場合の波形です。

CdVdT端子容量により、スルーレートを調整することができます。

外付け容量にてスルーレートを調整することが可能です

eFuse ICの基礎

半導体ヒューズ eFuse ICとは
半導体ヒューズ eFuse ICのメリット (1)
半導体ヒューズ eFuse ICのメリット (2)
半導体ヒューズ eFuse ICのメリット (3)
従来ヒューズとeFuse ICとの比較
半導体ヒューズが使われるアプリケーション例
過電流保護機能 (OCP:OverCurrent Protection)
短絡保護機能
過電圧保護機能 (過電圧クランプ)

関連情報