定電圧ダイオード

定電圧ダイオードは、pn接合の逆方向特性を利用したダイオードです。pn接合ダイオードの逆方向電圧を上げていくと、ある電圧で大きな電流が流れ始め電流に関わらず一定の電圧が得られます。(これを降伏現象、その電圧を降伏電圧と呼称しています)
この特性を積極的に利用したのが定電圧ダイオードです。この降伏電圧をツェナー電圧と呼ぶことから、ツェナーダイオードともいいます。
得られた定電圧を利用して電子回路の定電圧電源部や基準電圧を必要とする箇所に用いられます。

定電圧ダイオードの構造と接続
図2-4(a) 定電圧ダイオードの構造と接続
定電圧ダイオードの記号
図2-4(b) 定電圧ダイオードの記号
定電圧ダイオードの電気的特性
図2-4(c) 定電圧ダイオードの電気的特性

注:一般的にツェナー現象は、6V以下で観測されます。6Vを超える場合は、ツェナー現象よりアバランシェ現象が支配的になります。MOSFETにおける同様の動作をアバランシェと呼んでいます。ツェナー電圧とアバランシェ電圧では、その温度特性が異なり前者は負の、後者が正の温度特性を持っています。

第2章 ダイオード

ダイオードの種類
整流ダイオードの働き
整流ダイオードの順方向特性
FRD
ESD保護用ダイオード
ESD保護用ダイオードと定電圧ダイオードの違い(1)
ESD保護用ダイオードと定電圧ダイオードの違い(2)
可変容量ダイオード
ショットキーバリアダイオード(SBD)
SBDの逆回復特性
SBDの金属による差
各種ダイオードの特性と応用

関連情報