2-11. SBDの逆回復特性

SBD逆回復時間trrは、SBDの端子間容量特性と外部配線のインダクタンスで構成されるLC共振回路により決定されます。この端子間容量がほとんど温度により影響を受けない事から、SBDのtrr特性は温度により変化することがありません。(常温~高温で同じtrr特性となります。)
他方、pn接合ダイオードは、高温になればなるほど長い時間となりSBDの高速スイッチング特性はますます優位となり、より高周波のスイッチングに適しています。

注:SBDはユニポーラー素子のためpn接合ダイオードのようなキャリアの再結合による逆回復時間はありません。しかしながら、SBDの端子間容量を充電する電流波形がpn接合ダイオードの逆回復時間のように観測されることから、ここでは逆回復時間と記載しています。

 

SBDに逆方向電圧をかけたときの等価回路
図2-10(a) SBDに逆方向電圧(VR)をかけたときの等価回路
SBDの端子間容量特性
図2-10(b) SBDの端子間容量特性
SBDの代表的逆回復特性
図2-10(c) SBDの代表的逆回復特性

第2章 ダイオード

2-1. ダイオードの種類
2-2. 整流ダイオードの働き
2-3. 整流ダイオードの順方向特性
2-4. FRD
2-5. 定電圧ダイオード
2-6. ESD保護用ダイオード
2-7. ESD保護用ダイオードと定電圧ダイオードの違い(1)
2-8. ESD保護用ダイオードと定電圧ダイオードの違い(2)
2-9. 可変容量ダイオード
2-10. ショットキーバリアダイオード(SBD)
2-12. SBDの金属による差
2-13. 各種ダイオードの特性と応用

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