メタステーブル対策

メタステーブルを表す状態
メタステーブルを表す状態

順序回路を用いて、入力信号を同期させるとき、クロック信号と取り込まれる信号とのタイミングにより、出力が不確定になることがあります。これは個別技術資料上に記載されている、セットアップ時間ts 、ホールド時間thなどを満たしていない場合に発生し、この状態をメタステーブルと呼びます。(下図参照)

対策回路例 
対策回路例 

このメタステーブルの発生は、クロックなどの能動入力と、データ信号などの受動入力とが非同期の場合、避けられない問題であるといえます。
したがって、順序回路を使用する際には、技術資料上のタイミング推奨動作条件を満たす設計を行うようにしてください。
CKとデータが非同期の場合においても、以下の回路構成を用いると同期をとることが可能となりますが、CKの周期と伝搬遅延時間が近い条件の場合だと、2段目のF/Fに信号が伝わらない場合があるので注意願います。
下図は、フリップフロップを2段接続し、1段目のtpdの遅れやハザードを、2段目の出力に伝達させないようにした回路です。
この場合も、1段目と2段目のクロックの位相差が、1段目のCKとQの間のtpdと同等である場合には、注意が必要です。

(注)システム上CK1とCK2を共用化できない場合、CK1と同期して、かつ位相の異なるクロックCK2を作り、これを2段目のクロックに用いる方法もある(例えば、CK2=/CK1)。

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