IGBT

IGBTとは、前段に電圧駆動のMOSFETを用い、後段に大電流を流せるトランジスターを組合せた大電流制御に適したデバイスです。

IGBT:絶縁ゲートバイポーラートランジスター(Insulated Gate Bipolar Transistor)

«等価回路と動作内容»

  • IGBTの等価回路を図3-13(b)に示します。npn Trは、RBEにより動作しないように設計されています。
  • Nch MOSのゲートにオン信号を与えるとNch MOSが導通状態になります。
  • その結果、pnp Trのエミッターからベースへ電流が流れます。このベース電流は、Nch MOSのオン抵抗を下げる働きをします。(導電度変調)

≪MOSFETとの対比≫

  • ゲートドライブは、NchのMOSFETと同じです。
  • オン状態時、Nch MOSのオン抵抗が小さくなり大電流の通電が可能となります。
  • pnp Trのエミッター・ベース間の電圧降下が全電流領域で発生します。(約1.0V程度がオン電圧として上積みされます。)
IGBTの記号
図3-13(a) IGBTの記号
IGBTの内部等価回路
図3-13(b) IGBTの内部等価回路

第3章 トランジスター

トランジスターの種類
バイポーラートランジスター
抵抗内蔵型トランジスター
JFET
MOSFET
BJTとMOSFETの動作
MOSFETの構造と動作
MOSFET:RDS(ON)の決定要因
MOSFET:低RDS(ON)
Super Junction MOSFET
MOSFETの構造別特長
MOSFET:ドレイン電流と許容損失
MOSFET:アバランシェ耐量
MOSFET:容量特性
MOSFET:安全動作領域(SOA)
IGBTの動作
IGBT:縦方向デザインの進化
RC-IGBT/IEGTとは
IGBTの応用機器
IGBTとMOSFETの比較
各トランジスターの比較まとめ
MOSFET:最大定格
MOSFET:電気的特性
MOSFET:容量・スイッチング特性
MOSFET:ボディーダイオード

関連情報