3-18. IGBT:縦方向デザインの進化

IGBTは、図3-15(a)に示すように縦方向のデザインが変遷してきています。当初、PT構造からスタートし、現在は薄ウェハ化に伴い薄PT(一般的にField Stopと呼称)構造が主流になりつつあります。
(ゲート構造はMOSFETと同じ構成になります)

IGBTの縦方向デザインの変遷
図3-15(a) IGBTの縦方向デザインの変遷

PT型のVCE(sat)特性は、高温と常温で交わる電流値があります。(これをQ点と言います)
NPT型は(MOSFETと同様)高温のVCE(sat)が常に大きく並列運転してもコレクター電流のバランスが取り易くなっています。

PTとNPTの順方向特性の相違
図3-15(b) PTとNPTの順方向特性の相違

注:VCE(sat)--順方向特性、飽和状態でコレクター電流を流した時の電圧降下

第3章 トランジスター

3-1. トランジスターの種類
3-2. バイポーラートランジスター
3-3. 抵抗内蔵型トランジスター
3-4. JFET
3-5. MOSFET
3-6. BJTとMOSFETの動作
3-7. MOSFETの構造と動作
3-8. MOSFET:RDS(ON)の決定要因
3-9. MOSFET:低RDS(ON)
3-10. Super Junction MOSFET
3-11. MOSFETの構造別特長
3-12. MOSFET:ドレイン電流と許容損失
3-13. MOSFET:アバランシェ耐量
3-14. MOSFET:容量特性
3-15. MOSFET:安全動作領域(SOA)
3-16. IGBT
3-17. IGBTの動作
3-19. RC-IGBT/IEGTとは
3-20. IGBTの応用機器
3-21. IGBTとMOSFETの比較
3-22. 各トランジスターの比較まとめ
3-23. MOSFET:最大定格
3-24. MOSFET:電気的特性
3-25. MOSFET:容量・スイッチング特性
3-26. MOSFET:ボディーダイオード

関連情報