3-15. MOSFET:安全動作領域(SOA)

2つのモードの安全動作領域があります。

(1) Forward Bias SOA (F.B.SOA):オン状態における電流-電圧の使用可能領域を表します。
(2) Reverse Bias SOA (R.B.SOA):ターンオフ時の電流-電圧の使用可能領域を表します。

スイッチング動作ですので適用パルス幅は非常に短くなります。

各モードは、図3-12(a)のように定義することが出来ます。

実動作におけるSOAの定義
図3-12(a) 実動作におけるSOAの定義
MOSFETのF.B.SOA事例
図3-12(b) MOSFETのF.B.SOA事例
  • MOSFETは、アバランシェの保証のようにターンオフ時の定格電圧・電流動作(短時間)が一般的に保証されておりR.B.SOAは発表されていません。
  • F.B.SOAは、電流(定格ID他)、電圧(定格VDS)、熱抵抗の3つの制限領域と二次降伏領域から成ります。 
  • 3つの制限領域は、各デバイスの定格、熱抵抗から算出されますが、二次降伏領域は、デバイスの実測から求められます。

第3章 トランジスター

3-1. トランジスターの種類
3-2. バイポーラートランジスター
3-3. 抵抗内蔵型トランジスター
3-4. JFET
3-5. MOSFET
3-6. BJTとMOSFETの動作
3-7. MOSFETの構造と動作
3-8. MOSFET:RDS(ON)の決定要因
3-9. MOSFET:低RDS(ON)
3-10. Super Junction MOSFET
3-11. MOSFETの構造別特長
3-12. MOSFET:ドレイン電流と許容損失
3-13. MOSFET:アバランシェ耐量
3-14. MOSFET:容量特性
3-16. IGBT
3-17. IGBTの動作
3-18. IGBT:縦方向デザインの進化
3-19. RC-IGBT/IEGTとは
3-20. IGBTの応用機器
3-21. IGBTとMOSFETの比較
3-22. 各トランジスターの比較まとめ
3-23. MOSFET:最大定格
3-24. MOSFET:電気的特性
3-25. MOSFET:容量・スイッチング特性
3-26. MOSFET:ボディーダイオード

関連情報