IGBTとMOSFETの比較

耐圧500~600VのMOSFET(D-MOS)とIGBTの順方向特性を比較します。小電流領域では、MOSFETが低い電圧降下であり優れた性能となります。他方、大電流領域において、IGBTの順方向特性はMOSFETに対して優れていることが、図3-17から確認できます。また、MOSFETの順方向特性は、強い正の温度特性を有しておりますので高温・大電流領域の性能はで更にこの差は拡大します。

MOSFETとIGBTの順方向特性比較
図3-17 MOSFETとIGBTの順方向特性比較

中・高耐圧製品で比較した場合の例です。トレンチMOSFETのように低耐圧品は、非常にオン抵抗が小さく、実動作電流領域ではMOSFETの方が小さくなります。

本特性及びそのスイッチング性能(MOSFETがより高速スイッチング性能)から

  • MOSFETは、スイッチング電源のような100kHz 前後で低電流密度の応用
  • IGBTは、インバーターのような20kHz前後以下の 周波数で高電流密度の応用に多用されています。

第3章 トランジスター

トランジスターの種類
バイポーラートランジスター
抵抗内蔵型トランジスター
JFET
MOSFET
BJTとMOSFETの動作
MOSFETの構造と動作
MOSFET:RDS(ON)の決定要因
MOSFET:低RDS(ON)
Super Junction MOSFET
MOSFETの構造別特長
MOSFET:ドレイン電流と許容損失
MOSFET:アバランシェ耐量
MOSFET:容量特性
MOSFET:安全動作領域(SOA)
IGBT
IGBTの動作
IGBT:縦方向デザインの進化
RC-IGBT/IEGTとは
IGBTの応用機器
各トランジスターの比較まとめ
MOSFET:最大定格
MOSFET:電気的特性
MOSFET:容量・スイッチング特性
MOSFET:ボディーダイオード

関連情報