3-21. IGBTとMOSFETの比較

耐圧500~600VのMOSFET(D-MOS)とIGBTの順方向特性を比較します。小電流領域では、MOSFETが低い電圧降下であり優れた性能となります。他方、大電流領域において、IGBTの順方向特性はMOSFETに対して優れていることが、図3-17から確認できます。また、MOSFETの順方向特性は、強い正の温度特性を有しておりますので高温・大電流領域の性能はで更にこの差は拡大します。

MOSFETとIGBTの順方向特性比較
図3-17 MOSFETとIGBTの順方向特性比較

中・高耐圧製品で比較した場合の例です。トレンチMOSFETのように低耐圧品は、非常にオン抵抗が小さく、実動作電流領域ではMOSFETの方が小さくなります。

本特性及びそのスイッチング性能(MOSFETがより高速スイッチング性能)から

  • MOSFETは、スイッチング電源のような100kHz 前後で低電流密度の応用
  • IGBTは、インバーターのような20kHz前後以下の 周波数で高電流密度の応用に多用されています。

第3章 トランジスター

3-1. トランジスターの種類
3-2. バイポーラートランジスター
3-3. 抵抗内蔵型トランジスター
3-4. JFET
3-5. MOSFET
3-6. BJTとMOSFETの動作
3-7. MOSFETの構造と動作
3-8. MOSFET:RDS(ON)の決定要因
3-9. MOSFET:低RDS(ON)
3-10. Super Junction MOSFET
3-11. MOSFETの構造別特長
3-12. MOSFET:ドレイン電流と許容損失
3-13. MOSFET:アバランシェ耐量
3-14. MOSFET:容量特性
3-15. MOSFET:安全動作領域(SOA)
3-16. IGBT
3-17. IGBTの動作
3-18. IGBT:縦方向デザインの進化
3-19. RC-IGBT/IEGTとは
3-20. IGBTの応用機器
3-22. 各トランジスターの比較まとめ
3-23. MOSFET:最大定格
3-24. MOSFET:電気的特性
3-25. MOSFET:容量・スイッチング特性
3-26. MOSFET:ボディーダイオード

関連情報