IGBTの動作

IGBTを図3-14(a)の配線をした場合での動作を以下説明します。
(1) ゲートに正電圧が印加されておりゲート直下のp層に反転層が出来、通常のNch MOSFETと同様に図3-14(b)のNch MOSがオン状態となります。
(2) Nch MOSがオン状態になるとコレクター電極が+電位で有るため、コレクター側のp+層からn+層を経由してn-層に正孔(ホール:+電荷)が注入され、この注入された正孔によりエミッター側からの電子の注入が加速されます。
(3) その結果、本来高抵抗層であるn-層における電子・正孔量すなわちキャリア量が増加しn-層の抵抗値を下げる働きをします。(伝導度変調) これは、図3-14(b)に示すようにオン抵抗が変化するNch MOSとして動作します。

IGBTの動作
図3-14(a) IGBTの動作
IGBTの等価回路と実動作上の回路イメージ
図3-14(b) IGBTの等価回路と実動作上の回路イメージ

第3章 トランジスター

トランジスターの種類
バイポーラートランジスター
抵抗内蔵型トランジスター
JFET
MOSFET
BJTとMOSFETの動作
MOSFETの構造と動作
MOSFET:RDS(ON)の決定要因
MOSFET:低RDS(ON)
Super Junction MOSFET
MOSFETの構造別特長
MOSFET:ドレイン電流と許容損失
MOSFET:アバランシェ耐量
MOSFET:容量特性
MOSFET:安全動作領域(SOA)
IGBT
IGBT:縦方向デザインの進化
RC-IGBT/IEGTとは
IGBTの応用機器
IGBTとMOSFETの比較
各トランジスターの比較まとめ
MOSFET:最大定格
MOSFET:電気的特性
MOSFET:容量・スイッチング特性
MOSFET:ボディーダイオード

関連情報