MOSFETの構造別特長

各種MOSFETの構造に基づく特長および主な応用を表3-2.に示します。

  • 耐圧:ターゲットとする耐圧に対し、最適な構造を選択しています。
  • 低オン抵抗化:250V以下の製品ではU-MOSが、それ以上ではSJ-MOS(またはDTMOS)が有利となります。
  • 大電流化:低オン抵抗化と同じ傾向になります。
  • 高速化:U-MOSはゲートの容量(Ciss)が増加するため高速スイッチングには不利になります。ただし製品によっては低オン抵抗特性を生かし、Ron×Cissを小さく設計した高速スイッチング用も製品化されています。
表3-2. 各種MOSFETの特長と応用
東芝名称 U-MOS π-MOS DTMOS
一般名称 トレンチMOSFET

DMOS プレーナMOSFET

SJ-MOS
耐圧 〇 ~ 250 V ◎ ~ 900 V ◎ 600 V ~
低オン抵抗化
大電流化
高速化 〇/◎
応用 分野 バッテリー応用 中小容量コンバーター 大・中容量コンバーター
機器 PCM,NBPC,
DC/DCコンバーター、車載モーター機器
チャージャー、アダプター中小型TV、
LED証明
基地局・サーバー電源、中・大型TV、
パワーコンディショナー

第3章 トランジスター

トランジスターの種類
バイポーラートランジスター
抵抗内蔵型トランジスター
JFET
MOSFET
BJTとMOSFETの動作
MOSFETの構造と動作
MOSFET:RDS(ON)の決定要因
MOSFET:低RDS(ON)
Super Junction MOSFET
MOSFET:ドレイン電流と許容損失
MOSFET:アバランシェ耐量
MOSFET:容量特性
MOSFET:安全動作領域(SOA)
IGBT
IGBTの動作
IGBT:縦方向デザインの進化
RC-IGBT/IEGTとは
IGBTの応用機器
IGBTとMOSFETの比較
各トランジスターの比較まとめ
MOSFET:最大定格
MOSFET:電気的特性
MOSFET:容量・スイッチング特性
MOSFET:ボディーダイオード

関連情報