3-10. Super Junction MOSFET

(1) SJ-MOSはn型領域の一部にp型領域を柱状(p型ピラー層)を形成し、p型とn型領域を交互に配置します。(図3-9(b))
(2) ドレイン・ソース間に電圧VDSを印加するとドリフト層であるn型領域に空乏層が広がりますが、一般的なDMOSとSJ-MOSではその拡がり方が異なります。(図3-9(a)/(b)の電界強度図参照、電界強度は空乏層内の状態を示しています。)
(3) DMOSでは、p型/n型領域の界面が最も高い電界強度となり、この部分が材料であるシリコンの限界値を超えた場合にブレークオーバー(降伏現象)が発生し、耐圧の限界となります。
他方、SJ-MOSは、n型領域がほぼ均一の電界強度となります。
(4) したがって、SJ-MOSはより低抵抗(高濃度)のn型領域を形成出来るので低オン抵抗の製品が可能となります。
 ⇒ SJ-MOSはDMOSと同じサイズのチップでより低抵抗を実現できます。

DMOSの構造と電界
図3-9(a) DMOSの構造と電界
SJ-MOSの構造と電界
図3-9(b) SJ-MOSの構造と電界

第3章 トランジスター

3-1. トランジスターの種類
3-2. バイポーラートランジスター
3-3. 抵抗内蔵型トランジスター
3-4. JFET
3-5. MOSFET
3-6. BJTとMOSFETの動作
3-7. MOSFETの構造と動作
3-8. MOSFET:RDS(ON)の決定要因
3-9. MOSFET:低RDS(ON)
3-11. MOSFETの構造別特長
3-12. MOSFET:ドレイン電流と許容損失
3-13. MOSFET:アバランシェ耐量
3-14. MOSFET:容量特性
3-15. MOSFET:安全動作領域(SOA)
3-16. IGBT
3-17. IGBTの動作
3-18. IGBT:縦方向デザインの進化
3-19. RC-IGBT/IEGTとは
3-20. IGBTの応用機器
3-21. IGBTとMOSFETの比較
3-22. 各トランジスターの比較まとめ
3-23. MOSFET:最大定格
3-24. MOSFET:電気的特性
3-25. MOSFET:容量・スイッチング特性
3-26. MOSFET:ボディーダイオード

関連情報