3-14. MOSFET:容量特性

Ciss、Crss、Coss いずれの容量特性もMOSFETのスイッチング特性に影響を及ぼす重要な要素です。
Ciss: 入力容量
 (Ciss=Cgd+Cgs) ⇒ ゲート・ドレイン間容量とゲート・ソース間容量の和: 遅延時間に影響
Cissが大きくなる程、遅延時間が長くなります。
Crss: 帰還容量 (Crss = Cgd) ⇒ ゲート・ドレイン間容量: 高速化のためには低容量化が必要
Crssが大きい場合、ドレイン電流立ち上がり特性が悪くなり損失的に不利に働きます。
Coss: 出力容量 (Coss=Cgd+Cds) ⇒ ゲート・ドレイン間容量とドレイン・ソース間容量の和: 
ターンオフ特性及び軽負荷時の損失へ影響
Cossが大の場合、ターンオフdv/dtは小さくなりノイズ的には有利ですが、軽負荷時の損失が大きくなります。

MOSFETの容量モデル
図3-11(a) MOSFETの容量モデル
MOSFETの代表的な容量特性
図3-11(b) MOSFETの代表的な容量特性

第3章 トランジスター

3-1. トランジスターの種類
3-2. バイポーラートランジスター
3-3. 抵抗内蔵型トランジスター
3-4. JFET
3-5. MOSFET
3-6. BJTとMOSFETの動作
3-7. MOSFETの構造と動作
3-8. MOSFET:RDS(ON)の決定要因
3-9. MOSFET:低RDS(ON)
3-10. Super Junction MOSFET
3-11. MOSFETの構造別特長
3-12. MOSFET:ドレイン電流と許容損失
3-13. MOSFET:アバランシェ耐量
3-15. MOSFET:安全動作領域(SOA)
3-16. IGBT
3-17. IGBTの動作
3-18. IGBT:縦方向デザインの進化
3-19. RC-IGBT/IEGTとは
3-20. IGBTの応用機器
3-21. IGBTとMOSFETの比較
3-22. 各トランジスターの比較まとめ
3-23. MOSFET:最大定格
3-24. MOSFET:電気的特性
3-25. MOSFET:容量・スイッチング特性
3-26. MOSFET:ボディーダイオード

関連情報